面と向かって臆(オク)することなく、人の過失をせめることを表します。
【面折】は、面と向かって人の過失をせめることです。
【廷争】は、朝廷の(今でいえば閣議でしょうか)多数の大臣の前で、君主(仮に首相としておきます)の過ちをいさめて争うことを表します。
【面折廷争】は、『史記』呂后本紀にでています。
前漢の劉邦が亡くなりますと、呂(リョ)大后(タイゴウ)が権力を握り、呂氏一族の専横が
始まりました。丞相の王陵(オウリョウ)は正面から反対し、呂大后に従う陳平(チンペイ)らを
叱りとばしました。
それに応じて陳平らが言った言葉にでてきます
今に於いて【面折廷諍】するは、臣、君に如かず。
今朝廷で正面から正義を争うことでは、私は及ばないが
その社稷(シャショク)を全(まっとう)し劉氏の後を定むるは、君また臣に如かず
国家を安泰にし劉氏の血筋を守り、安定させることでは、あなたは私に及ばない。
と反論しました。
君主の、いいなりの閣僚ばかりでは、君主が過ちを犯そうとしても、諫める者は出ないでしょう。
そもそも過ちを犯す者は君主の資格はありません。
過ちに気がついたなら、君子は豹変して構わないのです。
過ちて改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ。
小人の過つや必ず文(かざ)る
一人の人間の誤った判断で日本を危うくさせないでほしい。