他人のことを考えて、控えめな言動、態度をとることです。
【遠慮】の本来の意味は、『論語』衛靈公篇にでている下記の文章によります。
人無遠慮、
人、遠(とお)き慮(おもんぱか)り無ければ、
人は遠い将来のことを考えておかないと、
必有近憂。
必ず近き憂(うれ)え有り。
必ず、すぐ身近な所から心配事が起こるものだ。
【遠慮近憂】の四字熟語になっています
深く謀りごとを巡らし、遠い先々のことまで思いをめぐらして綿密な計画を立てること、という意味の、
【深謀遠慮:今日の四字熟語/No.3】にも【遠慮】が入ってます。
【遠慮】に関して、現在では
遠慮なく言う(広辞苑では、人に対して言動・行動を控えめにすること)とか、
招待を遠慮する(広辞苑では、それとなく断ること)などと使われています。
「遠く先のことを慮る」という意味はありません。
これはおそらく、「遠く先のことを慮る」 ということは、いますぐ具体的な行動を取る分けではないので、
いまは控え目な態度でいるということから、現在使われている意味が生まれたのではないでしょうか。
【会釈】は、仏教用語の「和会通釈:ワエツウシャク」が略された言葉と言われています。
「和会通釈」と言いますのは、矛盾して見える教説を検討して、根本の共通真理を明らかにする。ことだそうです。この意味がいろいろに変化します、
① 様々な状況を考慮する
② 礼儀に適った態度をとる
③ 愛想よく応対する
そうしまして、江戸時代あたりで、「お辞儀をする」と言うような意味になったそうです。
【遠慮】が、「人に対して言動・行動を控えめにする」という意味で使われるようになったのも江戸時代の頃だそうです。