思いもかけなかった、おかしな出来事が起こることをいった四字熟語です。
【咄咄:トツトツ】は、意外なことが起こって、驚き怪しみの嘆息する声が出ることを言います。
【怪事】は、訝しいこと、理解しがたいことを表わします。
『晉書』殷浩(インコウ)傳に、晋の殷浩が【竹馬之友:今日の四字熟語/No.870】である桓温の讒言によって左遷されました。【咄咄怪事】は、その無念さを表現した言葉です。
初め朝廷では殷浩の力で桓温を抑えようとしたが殷浩が失脚した今、内外の権力は桓温の
身一つに集まった。
浩被黜、談詠不輟雖家人不見其有流放之憾、
浩黜(しりぞ)けられ、談詠輟(や)めず家人と雖も其の流放の憾(うらみ)有るを見ず、
殷浩は左遷されましたが、談詠を止めることはなく、家族もまた憾みを見せることはなかった。
但終日書空作咄咄怪事四字而已
但(ただ)終日空に書して咄咄怪事の四字を作(な)すのみ。
終日、【咄咄怪事】の四字を空書するだけであった。
【咄咄怪事】、今も起こってます。
でも無事に見つかったようです。