仕事を完成させるための最後の努力、すなはち、最後のひとふんばりを言います。
『書経』にある
山を為(つく)ること九仞、功を一簣に虧(か)く。
九仞の山を造るにも、あと一盛りのところで止めてしまえば、山は完成しない。
がもとになって、『論語』子罕(シカン)篇に次のような記述があります。
子曰、譬如爲山。
子日く、譬(たと)へば山を為(つく)るが如(ごと)し。
孔子が言いました。人の学問修養は、喩えてみれば山を築くようなものだ。
未成一簣。止吾止也。
未だ一簣(いっき)を成さざるも、止(や)むは吾が止(や)むなり。
あと一簣(ひともっこ)で山が完成するのに、そこで止めてしまうとする。
(これは誰のせいでもない)自分が投げ出したからである。
譬如平地。
譬へば地を平(たひら)かにするが如し。
又たとえば、地ならしをする場合に
雖覆一簣、進吾往也。
一簣を覆(くつがへ)すと雖(いへど)も、進むは吾が往(ゆ)くなり。
他でもない、一簣(ひともっこ)を空けただけでも地上が埋まっていくのは、
自分が進んでやったからである。
昭和42年(1967年)、東京女子医大山岳部の今井通子さんと若山美子さんのお二人がマッターホルンの北壁からの登頂に成功しました。
女性だけのパーティーでの北壁登攀は世界初でした。