我慢強く耐え忍んで、意志が堅固な事をいう四字熟語です。
蘇軾(ソショク:宋の詩人)の鼂錯論(チョウソ論)が出典と言われています。
古(いにしえ)の大事を立つる者は、惟(た)だに超世の才有るのみならず、
昔の大事を思い立った者は、世にすぐれた才能があるばかりでなく、
亦た必ず【堅忍不抜】の志有り。
我慢強く耐えて動揺しない志を持っていた。
【堅】は、土+臤 から作られた形声文字です。臤が音符号です。
【忍】は、心+刃 から作られた形声文字です。刃が音符号です。
【堅忍】は、堅く忍ぶ、忍耐強い、と言う意味です。
【不】は、花の根元の部分「はなぶさ」を文字化したのが【不】です。
【不】が「はなぶさ」の意味で用いられることはありません。【不】の音「フ」を仮に借りて、
「ず、しからず」に用いられましたが、仮末代(かりマツダイ)とでも言うんでしょうか、それが
すっかり定着してしまいました。これを【仮借:カシャ】といいます。
【抜】は、扌+犮 から作られた形声文字です。犮が音符号です。
「犮」は、「犬」に「ノ」を加えて、神への生け贄と言うことから作られた文字です。
「危機一髮:キキイッパツ」の「髮」、「跳梁跋扈:チョウリョウバッコ」の「跋」、
「旱魃:カンバッ」の「魃」、「お祓い:おはらい」の「祓:ハツ」、みな「犮」を
音符号としているだけで、生け贄の意味はありません。
【不抜】は、抜きとれない、堅くて動かない、意志が堅固な事を言います。
悪癖を断つには【堅忍不抜】の志が必要だそうです。