猫とネズミが一緒に眠る、と言う意味から、盗人を捕まえる者と盗人とが結託して悪事を働くことを表す四字熟語です。
【猫鼠同眠】は中国二十五史の十九番目『新唐書(シントウジョ)』に出ています。『新唐書225巻』は唐代の歴史を書いた正史ですが、もう一つ同じ唐代の正史として『旧唐書(クトウジョ)200巻』があります。『新唐書』は『旧唐書』を改修したものです。
洛州(ラクシュウ)の猫鼠処(すみか)を同じくす。鼠の隠れ伏すは、盗窃(トウセツ)に象(かたど)る。猫は捕嚙(ホゴウ)を職とす。しかるに反(かえ)って鼠と同じくするは、司盗(シトウ)の者、職を廃し姦(カン)を容(い)るるに象る。
と『新唐書』に記載がありますのは
唐の龍朔(リョウサク)元年:661年に猫とネズミが一緒に寝ているという報告があったそうです。そうだとすれば、これは司法に在る者が盗賊を見逃して自分の懐を肥やしている象徴に違いないという判断が働いたので、わざわざ史書に書き記されたのではないでしょうか。
洛州(ラクシュウ)の猫と鼠は同じ所に住んでいる。鼠は悪いことをして逃げ隠ればかりしている。猫はその鼠を捕まえるのが仕事である。それなのに、猫とネズミが一緒に暮らしていると言うのは、司法の者が職にありながら盗窃を許しているのに等しい。
会社を経営する者と、それを監査する者が結託すれば、どんな悪いことでも出来ます。更にそれに知恵を貸す者が加われば、鬼に金棒です。
でも、『天網恢恢(テンモウカイカイ)疎にして漏らさず』です。
本来、猫とネズミは食うか食われるかの関係です。一緒に寝るなんてありえません。
それにしても、最近聞きませんね、猫が鼠を捕まえたという話。