五日ごとに風が吹き、十日ごとに雨が降る、ということで豊作に適った天候のことを言ってます。
天候が順調なことから、平穏無事な世の中の意味になりまして、さらには天下が太平であることを願った四字熟語です。
【五】は、木を斜めに交差させて作った器物の二重の蓋の形ですが、これを数字の五に用いるのは、
その音だけを借りた、仮借(カシャ)の用法です。
【風】は、【No.853春風駘蕩】に記載しました。念のためもう一度記載します。
【風】は、天界の瑞鳥(ズイチョウ)である、鳳凰(ホウオウ)が起こすものと考えられていました。
甲骨文字で、風を表す字は鳥の形で、鳳凰の形をしてます。
天界の霊獣をはじめ生物万般は、漢字の世界では「虫」の形をとるものが多く、
「かぜ」も鳳の字の鳥を虫に変えて、【風】となりました。
【十】は、数を数える時に使う算木(サンギ)で数を表わし。横一本で一、縦一本の丨が十だったようです。
【雨】は、天から雨が降る形で象形文字です。
【五風十雨】は『論衡:ロンコウ』是応にでています。
風条(えだ)を鳴らさず、
風は穏やかに吹いて、枝を鳴らすほどではなかった。
雨塊(つちくれ)を破らず
雨は静かに降って大地にしっとりとしみこみ、土くれさえもこわさず、
五日一風(ゴジツイップウ)、十日一雨(ジュウジツイチウ)す。
五日に一度風が吹き、十日に一度雨が降る。
6月25日~7月2日ごろは1年のうちで最も雨の降る確率が高い時期です。
その中でも、6月28日は東京で雨の確率が53%と大変高く、雨の特異日とされています。