天の佑(たす)けと、神の助けの意味です。
【天佑】と【神助】という同義の熟語を二つ重ねて、人為を越えたものの働きによって助けられることを表す四字熟語です。
【天佑】の佑は、祐とも書きます。
【天】は、手足を広げた人を正面から見た形の「大」の上に大きな頭をつけた形です。象形文字です。
人の体の一番上にある頭を意味する「天」を借りて、「そら(あめ)」を天と言うようになりました。
【佑】は、人+右 から作られた 形声文字です。
右の原義が「たすける」でしたが、右が「みぎ」に用いられたので、亻をつけた【佑】の字が
「たすける」に用いられるようになりました。
【神】は、示+申 から作られた形声文字です。「申」はイナヅマの形です。イナヅマは天にある神の
威光のあらわれと考えられていました。
金文では「申」が「かみ」の意味を表していました。その後「申」が「もうす」の意味に用いられる
ようになったので、神を祭る時に使う、祭卓の形の「示」をつけて「神」の字になりました。
【助】は、且+力 から作られた会意文字です。
且は、鉏(すき)の形で、草を切る農具として使われました。
力は、耒(すき)の形で、土を掘り起こして砕く農具として使われました。
合わせて耕作を助ける意味を表すようになりました。
のち農耕の事に限らず、すべて協力して人を「たすける」の意味に用いられました。
明治38年(1905年)日露戦争勝利の海戦詳報の冒頭
天祐と神助とに因り我が連合艦隊は、5月27、28日、敵の第二、第三艦隊と、日本海に戦ふて、
遂に殆ど之を撃滅することを得たり。
【天佑神助】と報告されましたが、それを得るには、秋山真之海軍中佐の緻密な戦略と戦術があったればこそ、と伝えられています。
6月25日、果たして【天佑神助】はあるのでしょうか。
地球の裏側だから無理かな。