【腐草為蛍】と書きまして、【腐草(フソウ)螢と為(な)る】、と読みます。
昔の人は、腐った草が蒸(む)れて、蛍に生まれ変わると信じていたそうです。
ちょうど、今がその時期と言う訳です。
すなわち、この頃水辺の腐った草などの下から、成虫の蛍が夕闇を知り光を発し始めることを言います。
【腐草為蛍】は、七十二侯の第26侯を言います。6月11日~6月15日です。
二十四節季では、「芒種」の真ん中の時期です。
ホタルの語源は、諸説ありますがその中で一番もっともらしいと思われるのが「火(ほ)垂(た)る」です。
「螢20日に蟬3日」、旬の時期が短いことの喩えです。
「蛍の光 窓の雪」、夏はホタルの光で、冬は雪明りで勉強するというのです。
「蛍」は、夏の季語です。
草の葉を落るより飛ぶ蛍哉 芭蕉
己が火を木々の蛍や花の宿 芭蕉
ほたる飛や家路にかへる蜆売 蕪村]
大蛍ゆらりゆらりと通りけり 一茶]
「蛍烏賊」は春の季語です。