【一刻千金】とは、千金に値するほどの素晴らしい時間のことを言います。
またそうしたかけがえのない時を惜しむ気持も表わします。
中国北宋時代の詩人であり政治家であり書家でもある、蘇 軾(ソショク:1037年1月8日~1101年8月24日)の『春夜:シュンヤ』にある「春宵一刻直千金」からとられた四字熟語です。
春宵一刻直千金 春宵(シュンショウ) 一刻(イッコク) 直千金(あたいセンキン)
春の夜は、千金の値打ちあり。
花有清香月有陰 花に清香(セイコウ)有り 月に陰有り
花の香りに、おぼろの月。なんともいえぬ風情なり
歌管楼臺聲細細 歌管(カカン) 楼臺(ロウダイ) 聲細細(こえサイサイ)
歌声、楽器に満ちた高殿は、今は静寂。
鞦韆院落夜沈沈 鞦韆(シュウセン) 院落(インラク) 夜沈沈(よるチンチン)
中庭には、乗り捨てられた、ぶらんこが一つ。夜は静かにふけていく。
この『春夜』の詩からは、【一刻千金】の他に【春宵一刻】という四字熟語も生まれています。
また「値千金」という言葉は、非常に価値があることを意味する言葉として使われています。
大正9年(1920年)に生活改善同盟会が『時の記念日』を制定しました。
その由来は「日本書記」に671年の4月25日(グレゴリウス暦の置閏法を敷衍して適用すると671年6月10日にあたる)に漏刻と呼ばれる水時計を新しい台に置き、鐘や鼓で人々に時刻を知らせたと記述されていることを記念して制定されました。