意識がはっきりしない様子を表す四字熟語です。
物事を認識する力がおとろえている様子を表しますが、あまり病的な状態には言わないようです。
【意】は、音+心 から作られた会意文字です。音によってその心をおしはかるので、「おしはかる」が
もとの意味です。
【識】は、形声文字で、「しるし、しるす」の意味から「しる、わかる」の意味となり、
知識(知っている内容)、見識(物事を正しく見通し、本質を見抜く優れた判断力)の
意味ともなりました。
【意】、【識】は、般若心経に何度か出てきます。部分的に引用しました。
是故空中 無色 無受想行識
ぜこくうちゅう むしき むじゅそうぎょうしき
このゆえに空の中には、何もなく、感覚・想念・行動・知識もない。
無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
むげんにびぜっしんい むしきしょうこうみそくほう
眼も耳も鼻も舌も身も意もなく、色も声も香も味も触も法もない。
無眼界 乃至無意識界
むげんかい ないしむいしきかい
目に見える世界も、意識の世界もない。
【朦】、【朧】は、「月:おつきさん」+蒙、龍 から作られた形声文字です。
意味はどちらも、おぼろ、ぼんやりしている、月の光のうすぼんやりした様子を表わす文字です。
【朦朧】は、「モウロウ」と発音しまして、霞んでぼんやりした状態を表す「擬態語」です。しかも「ウ」を共通にした「畳韻語」と言われています。