残念でたまらない、物事や状態が思うようにならず、心残りであることを表わします。
【遺】は、辶+貴(音符号) から作られた形声文字です。意味は「おくる、のこす、うしなう」です。
「貴」は、両手で貝を捧げ持つ形です。「辶」は歩いて行く行為を示します。
貴重な宝である貝を捧げ持って、他の人に「おくる」ことを【遺】といいます。
【憾】は、忄+感(音符号)から作られた形声文字です。意味は「うらむ」です。
【遺憾】は、憾(うら)みを残す、残念でたまらない
【千】は、人の古代文字の足の部分に短い線を加えて人と区別して数の「セン」の意味に用いられます。
【万】のもとの字は【萬】でした。サソリの象形ですが、作られた時から「数の万、よろず、あまた」の
意味に用いられていました。
【千万】は、数の多いことを言います。
夏目漱石『吾輩は猫である』に【遺憾千万】がでていました。
昨日は一刻のひまを偸(ぬす)み、東風子にトチメンボーの御馳走を 致さんと存じ候処、
生憎(あいにく)材料払底(フッテイ)の為め其意を果さず、【遺憾千万】に存候(ゾンじそうろう)。
天正10(1582)年6月2日、京都の本能寺に宿泊していた織田信長が、明智光秀の謀反によって
自刃に追い込まれました。