一つの行動によって、同時に二つの利益を得ることを表わした四字熟語です。
【挙】の正字体は【擧】です。與と手とを組み合わせた会意文字です。
「與」は与(二本の象牙を組み合わせた形)を四本の手で支える形で、協力して持ち運ぶ
意味です。それにさらに「手」を加わえて「与」を高く持ち上げるのが【擧】です。
そこから「あげる。ささげる」の意味になりました。
もとの字体を知らないと正しい字源に辿りつけません。
【一挙両得】は、『晉書』束晳(ソクセキ)伝が初見です。
晉の束晳が農業の振興について建議した言葉の中にでてきます。
辺地の広大な土地に移って開拓し、またこの地に戻って来ることを許可すればこの土地も
充実することになり、【一挙両得】になるであろうと思われます。
【一挙両得】と同義の四字熟語を下記に示します。
【一挙二得:イッキョニトク】
【一挙両獲:イッキョリョウカク】
【一挙双擒:イッキョソウキン】
【一挙両全:イッキョリョウゼン】
【一挙両利:イッキョリョウリ】
【一石二鳥:イッセキニチョウ】
【一箭双雕:イッセンソウチョウ】 一本の矢で二羽の鷲を射落とす意味です。