あるときは治まり、あるときは乱れるというように、治まったり乱れたりを繰り返すこの世の有り様を述べた四字熟語です。
【一】は、「あるいは」、「あるとき」という意味になりまして、治まったり乱れたりということを表わしています。
たとえば、ほかにも
【一往一來】は、行ったり来たり、
【一喜一憂】は、喜んだり心配したり
【一進一退】は、進んだり退いたり
があります。
【一治一亂】は、『孟子』滕文公(トウブンコウ)章句下にでています。
公都子曰、
公都子(コウトシ)曰く、
弟子の公都子が質問しました。
外人皆稱夫子好辯、
外人 皆 夫子(フウシ)辯(ベン)を好むと稱(ショウ)す、
世間の人々はみな、先生をたいへん議論好きだと申してます。
敢問何也、
敢て問う何ぞや。
あえて質問しますが、どうしてなのでしょうか
孟子曰、予豈好辯哉、予不得已也、
孟子 曰く、予(われ)豈(あに)辯を好まんや。予 已(や)むを得ざればなり。
私は何も議論が好きなのではない。やむを得ず行なっているのである。
天下之生久矣、
天下の生や久し、
天下に人類が生まれてから、随分長い年月が経っているが、
一治一亂、
一(あるい)は治まり一(あるい)は亂(みだ)る。
ある時には治世となり、ある時には乱世となった。