【允(まことに)文(ブン)允(まことに)武(ブ)】と訓読みされます。
文武共に優れていることを表す四字熟語です。
【允】は、後ろ手に縛られた人の形から作られた象形文字です。
囚われの人を、神に誓って真実を述べさせるときに使われる字であることから、
「まこと、あたる、ゆるす」という意味になりました。
【允文允武】は【文武両道:今日の四字熟語/No.264】、文武兼備 などと同義の言葉です。
『詩経』魯頌(ロショウ)・泮水(ハンスイ)が出典となっている四字熟語です。
魯頌と言いますのは、魯の僖公(キコウ:B.C.659年~B.C.627年)を頌(たた)えた詩という意味です。
その中で泮水の辺(ほとり)に泮宮(ハンキュウ)を作った時のうたです。
【允文允武】は、その中で僖公を讃えた言葉としてでてきます。
原文、訓読、口語訳を載せました。口語訳は私訳です。
穆穆魯侯、敬明其德。
穆穆(ボクボク)たる魯侯、敬(つつし)みてその德を明らかにす。
穆(ふか)き徳ある 魯の僖公、敬みて德を明らかに。
敬慎威儀、維民之則。
敬みて威儀を慎む、維れ民の則。
威儀を慎むお姿は、まことに民の鑑(かがみ)かな。
允文允武、昭假烈祖。
允(まこと)に文 允(まこと)に武、昭(あき)らかに烈祖に假(いた)る。
文武両道ここにあり、功業 まさに先祖に等し。
靡有不孝、自求伊祜。
不孝あることなく、自ら伊の祜(さいわい)を求む。
努々(ゆめゆめ)まつり怠らず、その身にさいわい受けたまう。
ある大学で【文武両道】を目ざした、教育プログラムを今年度からスタートさせることを発表しました。