【犬牙相(あい)制(セイ)す】と訓読みされます。
隣りあう2国の領土が犬のきばのように入り組くんで接していて、相互に牽制することを表します。
『史記』孝文本紀に、前漢5代文帝の即位に関するエピソードとして、劉氏が天下を統一できた三つ理由が述べられています。
二つ目の理由の中に【犬牙相制】の言葉がでています。
秦が政権を失ったとき、諸侯、豪傑が並び起こり、人々は自ら天下を得ようと思う者、
万を以って数えました。
しかし、天子の位をふんだのは、劉氏であり、人々は天下をとは望みを絶ちました。
これが第一の理由です。
高帝(劉邦)は子弟を王に封じました。その領地は犬の牙(きば)食い違っているように
互いに食い入っておりました。これ、所謂(いわゆる)磐石(ばんじゃく)のごとくゆるぎない
宗家の構成です。天下はその強に服しました。
これが第二の理由です。
漢が興(おこ)り、秦の苛政をのぞき、法令を簡約にし、徳恵を施(ほどこ)しましたので、
人々は安定して、動揺することがなかった。
これが第三の理由です。
ジャパンケンネルクラブが平成6年(1994年)に『愛犬の日』を制定しました。