兄弟の深い情愛のことを表す言葉です。
【鴒】は鶺鴒(セキレイ)のことです。鶺鴒は主に水辺に住み、長い尾を上下に振る習性があります。
それが何かさし迫ったことでもあるように感じられ、兄弟の難儀を救いに行く様子に見られた
ようです。
和名としまして「イシタタキ」などと言われるのはその習性によるものです。
英名のWagtail(Wag:振る tail:尾)もその様子に由来した命名です。
『詩経』小雅(ショウガ)・常棣(ジョウテイ:にわざくら)という、4言×32句の詩にでていますが、【鴒原之情】ではなく、【鶺鴒在原】となっていまして、【鶺鴒 原に在り】と訓読みされます。
9)脊令在原、
鶺鴒 原に在り
(ふだん水辺にいる)鶺鴒が、野原で鳴いている。
10)兄弟急難。
兄弟 急難あり
(飛び鳴いて)兄弟は緊急の難儀に逢っている
11)每有良朋
良朋(リョウホウ)有りと每(いへど)も、
常には良い友達があっても、
12)況也永歎。
況(ここ)に永(なが)く歎(なげ)くなり
(緊急の場合には)、ただ同情する言葉で、長く嘆息するばかりである。
鶺鴒(せきれい)は水鳥であるが、今原野にあって鳴いて、難儀を共にしている。
そのように兄弟は緊急の難儀のある時は互いに助け合うべきものである、と言うことを詩に託したものです。
昭和22年(1947年)に4月10日をバード・デーとして制定されましたが、まだ冬鳥の多い時期であったことから、5月10日に変更されて『愛鳥の日』となりました。
また、『愛鳥の日』を初日としまして5月16日までの1週間を『バードウィーク:愛鳥週間(5月10日~16日)』と言います。昭和25年(1950年)に定められました。