遙か遠くに見える山々が、地平線と一つになっているように見え、まるで一本の髪の毛のようである。
【青山一髪】は、中国北宋(960年~1126年)の政治家であり、詩人でもあり、書家でもあった蘇軾(ソショク:1037年~1101年)の『澄邁驛(チョウマイエキ)の通潮閣(ツウチョウカク)』と言う七言絶句の詩の第四句目にある言葉です。
蘇軾は晩年政争のため(1099年:62歳のとき)に、海南島の役人に左遷されてしまいました。
『澄邁驛の通潮閣』の詩は、赦されて、海南島から本土に還る際、海南島北部の澄邁駅にある通潮閣に上って詠じた詩です。
餘生欲老海南村、
餘生(ヨセイ) 老いんと欲す 海南の村
余生を海南の村で終えようと思っていたのに
帝遣巫陽招我魂。
帝 巫陽(フヨウ:巫女の名前)をして 我が魂を招か遣(し)む。
天帝が巫陽を遣わして、私の身体から離れた魂を呼び戻してくださった。
(天子樣は使者をつかわして、生きて中国に帰ることを許された)
杳杳天低鶻沒處
杳杳(ヨウヨウ)として 天 低(た)れて 鶻(コツ:はやぶさ)の沒する處
はるかかなた、大空が低く垂れて隼の影が没するあたり、
青山一髮是中原。
青山 一髮 是れ 中原。
あの髮一筋ほどの、青い山なみこそ、わが中原だ
陳舜臣(チンシュンシン)さんの小説に『青山一髪』と題した本があります。
主人公は中国の王朝をうち破り、初代中華民国臨時大総統となって初めて民主国家を打ち立てた孫文です。
孫文の尊敬していた蘇軾の詩から引用して『青山一髪 上 孫文立つ』、『青山一髪 下 辛亥への道』が
上梓されました。
今日は「みどりの日」です。
1989年(昭和64年)1月7日の今上天皇即位により12月23日が「天皇誕生日」になりました。
4月29日の「(昭和天皇の)天皇誕生日」は「みどりの日」になりました。
2007年(平成19年)以降、
「みどりの日」を5月4日に移動し、
4月29日を「昭和の日」とすることとなりました。