素早く、みごとな詩文を書きあげることを言います。
【倚馬七紙】は馬に倚(よ)りかかって、七枚もの名文を書くという意味です。
『世説新語』文学にでている故事です。
桓宣武(カンセンブ:東晋の武将)、北征す。
桓宣武が北征したとき、
袁虎(エンコ)、時に從ひ、責(せめ)を被(こうむ)りて官を免ぜらる。
袁虎も従軍したが、譴責(ケンセキ)されて官を免ぜられた。
會々(たまたま)露布(ロフ)の文を須(もち)ふるに、
たまたま布告の文が必要となり、
喚袁倚馬前令作
袁を喚(よ)びて馬前に倚(よ)って作らしむ。
袁虎を呼び出して馬前で作らせると、
手不輟筆、俄得七紙
手、筆を輟(や)めずして、俄(にわか)に七紙を得たり。
手にした筆を休めることなく、たちまち紙七枚を書き上げ、
絶(はなは)だ觀(み)るべし。
誠に見事なできばえであった。
東亭(トウテイ)側(かたわら)に在りて、極めて其の才を嘆ず。
東亭が傍らにいて、その文才を激賞すると、
袁虎云ふ、當(まさ)に齒舌(シゼツ)の間に利を得せしむべし、と。
袁虎は言いました、そういってくださるのなら、私に復官できるという利益を配慮してください。
昭和25年(1950年)のこの日に図書館法が公布されたことにちなんで、図書館記念日としたそうです。