【蛟竜 雲雨を得(え)ば、終(つい)に地中の物に非(あら)ず】を縮めて【蛟竜雲雨】となりました。
池の中の蛟(みずち)や龍は、一旦(イッタン)、雲や雨を得ればそれに乗って天に昇り、
いつまでも池の中にとどまっているものではない。
ここから、雌伏していた英雄が機会をとらえて世にで出ることを言います。
『三国志』、呉志・周瑜(シュウユ)伝に記載のある故事から生まれた四字熟語です。
孫権(ソンケン)の臣下・周瑜は、劉備(リュウビ)の人物を警戒して忠告しました。
劉備は指導者として十分な力を備えている。しかも関羽・張飛という猛將を擁している。
いつまでも人の下にいて使われる人間ではない。
劉備に立派な邸宅を与え、美女をつけて骨抜きにして、部下の将軍と引き離すべきだ。
土地を与え、彼らを助け、三人を一カ所に集めて、国境地帯においたならば、
恐 蛟竜得雲雨、
恐らく 蛟竜 雲雨を得(え)ば、
多分、みずちや竜が雲や雨を得て天に上り、
終非地中物。
終(つい)に地中の物に非(あら)ず。
ついには池の中にじっとすることがないように時を得るだろう、と。