【日に省(かえり)み月に試み】と訓読みしまして、
官僚の働きを毎日観察し、毎月審査することです。
四書の一つ『中庸』によりますと、天下国家を治めるには九つの原則があるそうです。
1) 身を修むるなり。
君主がその身を修めること。
2) 賢(けん)を尊ぶなり。
賢者を尊敬すること。
3) 親(しん)を親しむなり。
親族を親愛すること。
4) 大臣を敬するなり。
大臣を尊敬すること。
5) 群臣を体(たい)するなり。
群臣を思いやること。
6) 庶民を子(いつく)しむなり。
庶民をいつくしむこと。
7) 百工を来(ねぎら)うなり。
もろもろの工人をねぎらうこと。
8) 遠人(えんじん)を柔(やわら)ぐるなり。
遠方からやって来てくれた人を和らげること。
9) 諸侯を懐(なつ)くるなり。
諸侯たちをなつけること。
『中庸』にはこのあと、この九つの原則をそれぞれに全うする方法が述べられ、それを各々実行することを求められます。
あくまでも、大昔の古代中国でのお話です。
【日省月試】は、官僚達が、置かれた立場で業務を全うし、それを上位者が日々チェックし、月ごとに成果を査定することを表す四字熟語です。
その結果に応じて扶持米を与えることにしたそうです。
九つの原則を行う唯一の根本は『誠』」であることだと『中庸』は説いています。