自然のままにふるまって、楽しみを得ることの喩えを言った四字熟語です。
【鳶(とび)は飛んで天に戻(いた)り、魚は淵(ふち)に躍(おど)る】が原文読み下しです。
これを略して【鳶(とび)飛(と)び魚(うお)躍(おど)る】となりまして、【鳶飛魚躍:エンビギョヤク】と
なりました。
『詩経』大雅・旱麓(カンロク)篇にある四字熟語です。
【旱麓】は、【旱山(カンザン)の麓(ふもと)】と言う意味です。
白川静博士によりますと、旱麓(カンロク)篇は
祝頌の詩で、祭事の後に、領主君子に献ずる祝頌の詩である。としています。
4言×24句の詩です。【鳶飛魚躍】は9句、10句にでてきます。
5) 瑟彼(ひ)たる玉瓚
鮮やかなる玉のさかずき
6) 黄流(コウリュウ)中(うち)に在り
金色の酒満ちている
7) 豈弟(ガイテイ)の君子よ
楽しみ安らげる祖霊よ
8) 福祿ここに降(くだ)せ
さてこそ幸福をもたらしたまえ。
9) 鳶(とび)飛びて天に戻(いた)り、
鳶は飛んで天に在り
10) 魚淵(ふち)に躍(おど)る
魚は深き淵の上に飛び跳ねる。
11) 豈弟(ガイテイ)の君子よ
楽しみ安らげる祖霊よ
12) 遐(なん)ぞ人を作(な)さざらん
万年まで惠福をお与えたまえ