堂々とした文章のたとえを言った言葉です。
出典となった、『晉書』王珣(オウシュン)伝には、【筆の大きさ椽(たるき)の如し】となっています。
【椽】は、木+彖(テン)から作られた形声文字です。意味は「たるき」です。
「たるき」は、屋根の裏板を支えるために、棟(むね)から軒(のき)にわたす材をいいます。
角材のものは「桷:カク。たるき」、丸材のものが「椽:テン。たるき」の字があてられます。
また「彖」に「木」以外の別の部首をつけますと
「篆刻:テンコク」の「篆:テン」ができますし、
「縁もゆかりもない」の「縁:エン」は「緣」が正字体です。エンは漢語で、ゆかりは和語です。
晉の王珣(オウシュン)は文才があり、孝武帝(372年~396年)にも認められていました。
ある時、王珣は、人が自分に椽(たるき)ほどもある大きな筆を与えてくれた夢を見ました。
夢から覚めてある人に 『きっと堂々とした大文章を書くことがあるだろう』と、言いました、
その後、孝武帝が崩御し、その崩御に際してのすべての文章を王珣が書いたそうです。
『晉書』王珣(オウシュン)伝の読み下し文です。
王珣、人 大筆の椽(たるき)の如きを以て之(これ)に与うるを夢見る。
既に覚め、人に語りて曰く
此れ当(まさ)に、大手筆の事有るべし。
俄(にわ)かにして帝崩ず。
哀冊(アイサク)諡議(シギ)は、皆王珣の草する所なり。
4月23日は『サンジョルディの日』と言われてまして、スペインのカタロニア地方では、
守護聖人サン・ジョルディを祭り、女性は男性に本を、男性は女性に赤いバラを贈る風習があるそうです。
日本でもこの風習を定着させようとして1986(昭和61)年に制定されました。
ユネスコは、スペインからの提案に基づいて4月23日を『世界本の日』に制定しています。