非常に親密な交際や友情の喩えを言います。
魚にとって水がどうしても必要なように、切っても切れない親密な関係を言います。
三国時代、蜀の劉備が三顧の礼で諸葛亮(諸葛孔明)を臣下に迎え入れ、日々に親しく交際するようになりました。その様子を見て心中穏やかでないのが関羽・張飛といった古参の有力武将たちです。
於是與亮情好日密
是(ここ)に於いて亮と情好 日に密なり。
こうして先主と亮(孔明)の仲は日ごと密になっていった。
關羽張飛等不悅
関羽張飛等悦(よろこ)ばず。
関羽・張飛等はそれを快く思わなかった。
先主解之曰
先主これを解きて曰く、
先主は彼等を説得して言いました。
孤之有孔明 猶魚之有水也
孤(コ)の孔明有るは、なお魚(うお)の水有るが如きなり
私にとって孔明がいるのは、魚に水があるようなものである。
願諸君勿復言
願わくば諸君復(ま)た言う勿(なか)れ、と。
どうか諸君には二度と言ってくれないよう願うと言った。
羽飛乃止
羽飛乃(すなわ)ち止(や)む。
関羽・張飛はただちに止めた。
類義の表現としまして
水魚之親:スイギョのまじわり。 管鮑之交:カンポウのまじわり。
金蘭之契:キンランのちぎり。 膠漆之交:コウシツのまじわり
断金之交:ダンキンのまじわり。 莫逆之友:バクギャクのとも。
雷陳膠漆:ライチンコウシツ。 耐久之朋:タイキュウのとも