故郷を懐かしく忘れがたく思うことのたとえです。
【胡馬(コバ)は北風に依り、越鳥(エッチョウ)南枝(ナンシ)に巢(す)くふ】という文章の中から
【越鳥(エッチョウ)南枝(ナンシ)】の四字熟語が生まれました。
北の胡(えびす)の国に生まれた馬は、他国に在って北風が吹いてくると、その方に身を寄せるし、
南の越の国に生まれた鳥は、他国に在って南の枝に巢をつくる。という意味です。
『文選』古詩十九其一の「行き行きて重ねて行き行く」と題する詩の一部です。
胡馬(コバ) 北風に依り、
胡馬は北風に向かって身を寄せ
越鳥(エッチョウ) 南枝(ナンシ)に巢(す)くふ
越鳥は南枝に巣食う
相去ること 日に巳(すで)に遠く、
離れ離れになって 月日経ち、
衣帯 日に巳に緩(ゆる)し
わたしの身はやせ細り
浮雲 白日を蔽(おほ)ひ
浮雲は日の光を覆い、
遊子 返るを顧(おも)はず
あなたはお帰りにならない
君を思へば 人をして老いしむ
あなたを思うと、(悲しい思いで)わたしは老いていくばかり。
未だ故郷に帰れない原発避難者は13万人もいらっしゃいます。