【耳を提して面(まのあたり)に命ず】と訓読されまして
耳を引き寄せて言い聞かせ、目(ま)の当たりに教えること、すなはち丁寧に教え諭すことを表しています。
原文から言葉を選んで作られた四字熟語ですから、【耳提面命】、【面命提耳】などの表現があります。
【提耳】は、両方の耳を持って引っ張り上げることを言います。
【面命】は、目の当たりに命ずることで、面と向かって教え諭す、と言う意味です。
出典は『詩経』大雅です。
古代中国の西周(B.C.1100頃~B.C.770)末期、『史記』周本紀によりますと、10代厲王(レイオウ)は臣下の諫言を聞かず利を貪り、民衆から反旗を翻(ひるがえ)され、彘(テイ:山西省)に出奔してしまいました。
衛の武公(B.C.812~B.C.758)が厲王を諫めた詩がありまして、その中に【提耳面命】の言葉がみえます。
於乎(ああ)小子(厲王)、
ああ、年若き人よ
未だ藏否(ゾウヒ)を知らず、
事の善悪、御存じないか
手もて之(これ)を攜(ひ)くのみに匪(あら)ず、
手を携えて導くだけでなく
言(われ)之に事を示す。
例えを挙げて示したい
面に之を命ずるのみに匪ず、
面と向かって、言い聞かせるだけでなく
言其の耳に提す、
その耳を引き寄せて、言い聞かせたい
借(たと)ひ未だ知らずと曰ふも、
たとえ物を知らずと言うとも
亦た既に子を抱く。
もはや子を抱く父(厲王)となり
民の盈(み)つる靡(な)き、
民の心は不満を抱く
誰か夙(つと)に知りて莫(おそ)く成る。
早く気づけば、早く世の中、落ち着くものを。
1947(昭和22)年3月31日、「教育基本法」と「学校教育法」が公布されました。
翌日から施行され、学校教育の6・3・3・4制が発足しました。