多くの人が、口々にやかましく騒ぎたてることを言います。
「喧」:やかましい、かまびすしいの意味です。「喧喧」でガヤガヤとやかましいことを言います
「囂」:頁は儀礼をする人、頁のまわりの4個の「口」は祝詞を入れる器を表しています。それで祈りの声のかまびすしいことを表す字としてつくられました。
その後この字は①やかましい、②多くの者の憂える声、③もの寂しい、④無欲なさま、などいろいろな意味で使われています。
「喧喧囂囂」の場合の「囂囂」は、声のやかましいことを言ってます。
『今日の四字熟語』のNo.79の「侃侃諤諤:カンカンガクガク」と、No.80の「喧喧囂囂:ケンケンゴウゴウ」とを混ぜ合わせて「喧喧諤諤:ケンケンガクガク」という語も時々見たり聞いたりします。
白居易に「買花」と題する五言古詩(五言×20句)がありまして、その中で「喧喧」が使われています。当時(唐代後半)の牡丹狂いを風刺した詩です。詩の2行目に出ています。
帝城春欲暮 帝城春暮れんと欲し
喧喧車馬度 喧喧として車馬度(わた)る
共道牡丹時 共に道(い)う牡丹の時 「道(い)う」=言う。
相随買花去 相随(したが)って花を買いに去(ゆ)くと。
また「囂囂」を無欲なさまを表す語として使っているのが、『孟子』万章章句上に出ています。
殷の湯王が、高価な進物を整えて伊尹(イイン)を招聘(ショウヘイ)しようとした時、
伊尹、囂囂然として曰く、我何ぞ湯の聘幣(ヘイヘイ:招くための進物)を以(もち)いん。
伊尹は欲がないので言いました、湯王の招きの進物なぞ何になろう。
「侃侃諤諤」「喧喧囂囂」「喧喧諤諤」 ・・・・・見るからにうるさいカンジ、です。