勢いの盛んな者も、いずれは滅びると言うことを表した四字熟語です。
この世の無常を言った言葉でもあります。
【衰】のもとの字は、衣+冄を組み合わせた会意文字です。冄は死者の衣の襟もとに置かれた喪章です。
全体で喪服を表す字として作られたそうです。そこから「おとろえる」という意味になりました。
【盛者必衰】は、『平家物語』の冒頭の部分でよく知られています。
無常を表す言葉として「生者必滅:ショウジャヒツメツ」もあります。『平家物語』では、
「生者必滅、会者定離は浮世の習いにて候」 という文章で語られています。
『平家物語』冒頭の部分です。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ
『平家物語』に節をつけて琵琶を伴奏とする平家琵琶では
「沙羅双樹」を「シャラソウジュ」と読むときには「盛者必衰」を「ジョウシャヒッスイ」と読み、
「沙羅双樹」を「サラソウジュ」 と読むときには「盛者必衰」を「セイジャヒッスイ」と読むそうです。
「沙」の呉音が「シャ」、 漢音が「サ」です。
「盛」の呉音が「ジョウ」、漢音が「セイ」です。
ですから両方とも同じ音で読むと言うことからそうなるのでしょう。
なるほどと言う感じです。