【毀】はそしる、【誉】はほめる、【褒】はほめる、【貶】はけなす、の意味をもった四文字を連ねて、
ほめたりけなしたりすることを表した言葉です。
世評、すなはち世間の評判を表すときによく使われます。
「毀誉褒貶相半ばする人物」などと使われます。
【毀】は、臼+土+殳 から作られた会意文字です。古代文字によりますと 臼+土は、
幼児がつま先立ちしている形です。それに 殳 をつけて、幼児を殴(う)ち、「そしる、そこなう」の
意味になったようです。
【毀】は、2010年から常用漢字になりました。
【誉】の正字体は【譽】です。音符号の與(ヨ)はみんなで大事なものを持ち上げている形を
文字化したものです。大事なことを言う、それはほめること。みんなでほめることを【譽】と
言うようになりました。
【褒】の正字体は【襃】です。衣にはさまれた部分は子供に手をあてている形で、全体として
懐(ふところ)に子供を抱いて懐のふくらんでいる形で、「ひろい、ゆるやか」の意味となり、
のち「ほめて与える」の使われ方から、「ほめる」の意味になりました。
【貶】は、貝+乏 から作られた形声文字です。乏 に減る、と言う意味があることから
【貶】はものを減損することを言います。
【毀誉】はそしることと、ほめること
【褒貶】はほめることと、けなすことの意味を表し、同義のニ語を重ねて強調しています。
『韓非子】弧憤篇に【毀誉】の、杜預(トヨ)『春秋左氏伝集解』に【褒貶】の語例が見られます。