歌人・若山牧水（１８８５－１９２８）の生涯とその作品を紹介した「若山牧水展」が９月９日まで、いわき市立草野心平記念文学館で開かれている。
　牧水は小学から旧制中学までの約８年間を宮崎県の延岡市で過ごした。中学時代には短歌や俳句を雑誌に投稿、同人誌の創刊にかかわるなど、歌人としての萌芽を見いだすことができる。「牧水」の号は、このころから使い始めたという。
　早稲田大に進学し、文学の道に進むことを決めた牧水は、１９０８年に第１歌集「海の聲（こえ）」を自費出版。生涯にわたり旅を重ねて歌集や紀行文を手掛け、９千首近くの歌を詠んだといわれる。
　今展は、いわき市と延岡市兄弟都市締結１５周年記念企画展。牧水の写真や草稿、色紙、歌集「海の聲」、愛用の杯、それに酒を好んだ牧水と草野心平（１９０３－８８）それぞれの逸話を紹介。心平は随筆の中に、牧水の作品を引用している。
　９月１日は、草野心平記念文学館ボランティアによる朗読を学ぶ「朗読の集い」がある。午前１１時～正午まで。
　月曜休館。午前９時～午後５時。観覧料は一般４２０円、高校・高専・大学生３１０円、小学・中学生１５０円。２０人以上は団体割引がある。
　詳しくは、いわき市立草野心平記念文学館（電話0246-83-0005）へ。
　URL : http://www.k-shimpei.jp
　E-mail : info@k-shimoei.jp

　【写真：㊨「若山牧水 書斎にて」・1923年春（『牧水写真帖』新声社1968年）】