昭和を代表する写真家入江泰吉（１９０５～９２）さんの写真展が、７月２９日まで郡山市立美術館で開かれている。
　入江さんは奈良県出身。戦後、東大寺修二会（お水取り）の写真を３０年以上撮り続け、さらに「大和路」の風景や仏像などへの作品と傾斜していった。陰影の美を求めたモノクロ写真にこだわり、カラー写真との模索が長年続いた。１９７６（昭和５１）年、写真集「古色大和路」「万葉大和路」「花大和」の３部作で菊池寛賞を受賞。
　今回の写真展では、「春日大社回廊」をはじめ、「水に映る薬師寺東塔」「興福寺阿修羅像」「飛鳥川稲淵石橋」など、古都奈良の大和路の美しい風景や仏像、万葉集にうたわれた花々などの写真約９０点を展示している。
　７月１５日は午後２時から美術講座（入場無料）、８日と２９日は午後２時からギャラリートーク（企画展観覧券が必要）がある。
　郡山、奈良両市は１９７１（昭和４６）年に姉妹都市となり、昨年で４０周年を迎えた。記念行事として同展を開催する予定だったが、震災により一年遅れとなった。
 
　▽日時：～７月２９日（日）。午前９時３０分～午後５時（入館は４時３０分まで）
　▽休館日：毎週月曜日　※７月１６日は開館、翌１７日は休館
　▽観覧料：一般５００円（２０名以上の団体は４００円）
　　　　高校・大学生３００円（２０名以上の団体は２４０円）
　　　　中学生以下、６５歳以上、障がい者手帳を持つ人は無料
　問い合わせは、郡山市立美術館（電話024-956-2200）へ。
　http://www.city.koriyama.fukushima.jp/bijyutukan/

　【写真：（左上～右へ）「興福寺阿修羅像」「春日大社回廊」、入江泰吉写真展のポスター、「水に映る薬師寺東塔」　いずれも郡山市立美術館のポスターより】