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コラム・筆は一本也

「白鳥とふれあう心」

「震災後、原発事故問題で人々の心に余裕がなくなり、最近余り白鳥の話題になりません」と、50代の男性がインターネット交流サイトのフェイスブックに投稿していた。そんな中、「白鳥おじさん」の愛称で親しまれた福島市の八木博さんが2月5日亡くなった。77歳だった。今でこそ多くのハクチョウが飛来する同市の阿武隈川河川敷の「あぶくま親水公園」は、八木さんが餌(え)づけを始めたころは雑草とした川岸だった。八木さんは餌づけの合間を見ては、周辺の環境整備も行っていた。現在の親水公園の生みの親とも言える存在だ。

▼福島県内では猪苗代湖のハクチョウが有名だが、えさを求めて周辺の刈田や河川にも飛来し、見物人らの目を楽しませてくれた。ところで、白鳥おじさんと言えば、昭和40年代当初に餌づけを始めた、初代白鳥おじさんこと、故上竹二郎さんを思い出す。自宅から約1㌔先の餌づけ場に通い、自宅でためたくず米を運んでは与え、そうした姿が新聞やテレビで盛んに報道された。引率された園児や、家族、一般市民もパンくずなどを手にして訪れ、ハクチョウとふれあう光景が見られた。

▼筆者は上竹さんに取材などでたびたびお会いする機会に恵まれた。自宅に招かれたこともあった。顔をくしゃくしゃにしながら話す姿が忘れられない。八木さんは、上竹さんにコメくずや茶殻を届けたことがきっかけで、餌づけに加わるようになった。上竹さん亡きあとは、その遺志を引き継ぐように毎冬、餌づけを続けた。しかしその後、強毒性の鳥インフルエンザが猛威をふるい、餌づけは中止された。立ち入り禁止の看板が立てられ、周辺は柵で囲われた。

▼八木さんは余りの無念さに涙を流し、ハクチョウの旅立ちの様子を見ようともしなかったという。さて、交流サイトの男性が言うように、原発事故以降に人々の心に余裕がなくなり、今はハクチョウの話題もめっきり少なくなった。八木さんが今の状況を憂いて逝ってしまったと思うと、残念でたまらない。もとの平和な環境に一日も早く取り戻したいと、願わずにはいられない。【天下無双】
                            (2013・2・8)

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