青森県で絵本の読み聞かせボランティアに取り組んでいる外川薫さん（37）が1月18日、福島市杉妻町の市立南幼稚園を訪れ、園児たちに心温まる物語を披露した。
　外川さんは、青森県平川市広船地区でりんご農家を営む傍ら、絵本作家としても活躍。4年ほど前から地元の広船地区の保育所や小学校を回り、オリジナル絵本の読み聞かせボランティアを行っている。震災後は、被災地の子どもたちに元気になって欲しいと、読み聞かせの公演活動を行いながら、自ら育てたりんごをプレゼントしている。
　福島県での公演は今回が初めて。園児58人と保護者10人が参加した。
　この日は、オリジナル絵本「ずるすけもほと きのあなのおうち」（ずるすけもほと木の穴のお家）の物語を披露。地元の方言で「ズルをする子ども、言うことを聞かない子ども」を意味する「ずるすけ」を題に、ずるすけのことが大好きなキャラクター「ずるすけ もほ」が織りなす心温まるストーリーを読み聞かせた。
　園児たちは、青森弁の優しい語りで醸し出される外川さんの世界にぐいぐい引き込まれていた。物語の終わりには等身大の「ずるすけ もほ」が登場する演出もあり、会場は園児たちの笑顔と感動で満ちあふれていた。
　公演の後は、「ずるすけ もほ」がデザインされた缶バッジやポストカード、「広船りんご」がプレゼントされた。
　樋口佳子教諭は「子どもたちがとてもいい笑顔を見せていた。外川さんの言葉のリズムと青森弁にも癒された」と感謝していた。
　外川さんは「体によい生のりんごを皮ごと食べて、元気になって欲しい。来年も福島で読み聞かせを行いたい」と話した。

【写真は絵本の読み聞かせ、外川さんとふれあう園児たち、園児たちにプレゼントされたりんご】

　≪記事と写真は渡邉真義さん提供≫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2013・1・20）