WiZ専門学校・国際情報工科大学校（福島県郡山市、水野和哉学校長）の自動車車体工学科に在籍する学生が製作したカスタムカーが、1月11～13日に千葉・幕張メッセで開かれた「東京国際カスタムカーコンテスト2013」のコンセプトカー部門で優秀賞を受賞した。最優秀賞は本田技研工業、同校と同じ優秀賞はTOYOTA/GAZ0O RACINGと、わが国を代表する大手自動車メーカーと肩を並べての受賞。同校は6回目の出場にして専門学校としては初の快挙を成し遂げた。
　優秀賞を受けたカスタムカーは、フォルクスワーゲン社（独）の「ビートル」（1973年式、1300cc）をベースに、ガソリンエンジンを取り外し、代わりにEV（電気自動車）用モーターを取り付けた。学生たちが発想した「ECO（エコ）カッコイイ」をコンセプトとし、天井楕円のルーフを大幅にカット。車高を下げるなどしてデザイン性を高めた。車色はポルシェカラーを思わせるコニャックメタリックを採用し、スポーティーで高級感ある色彩にした。
　バッテリー積載で車が予想以上に重量となったため、足回りを強化。ひと回りワイドなタイヤをはかせ、ホイールは4穴（ネジ）から5穴に切り換えた。
　自動車車体工学科3年に在籍する学生7人が、コンセプトの起案から内外装の仕上げまで、昨年6月半ばから年末まで約半年間かけて製作。完成車はスタイルの良さと環境に配慮した電気自動車として“再デビュー”させた。車検が通れば、一般公道も走行できる。
　今回のコンテストのエントリーは計8部門。このうち、コンセプトカー部門には94台の車両が出展、審査員と来場者の投票で入賞車両を決めた。
　製作チーム代表の橋本孝太さん（20）は「（大手メーカーのプロ集団が出展していたため）まさかの入賞に驚いている」と話し、指導者の渡辺篤史さん（教務部自動車分野）は「互いが助け合い、チームがひとつになった結果」と学生たちの頑張りにエールを送っている。
　車体ドアには「WiZ」名と、栄誉をたたえて学生7人、指導者2人の名を書き入れた。
　7人の学生たちは全員、福島県内の自動車ディーラーなどへの就職が内定しており、4月からは整備士として活躍する。
　製作に携わったチーム学生は次の通り。
橋本孝太（20）・田村市▽三瓶修平（21）・須賀川市▽井上拓紀（22）・郡山市▽渡邊一貴（21）・郡山市▽鈴木健人（21）・天栄村▽斎藤竜也（21）・本宮市▽緑川翔太（21）・浅川町（敬称略）
 
　＜東京オートサロン＞　1983年に「東京エキサイティングカーショー」としてスタート。87年の第5回から「東京オートサロン」に名称を変え、会場も有明から晴海、現在の幕張へと変わった。年々規模が拡大し、近年は自動車メーカーも出展して新車発表をするなど人気が高まっている。31回目となった今回は、展示車両、展示面積ともに過去最大規模となった。3日間の動員数も過去最高の28万2659人。

　■自動車車体工学科
　2級自動車整備士と自動車車体整備士の2つの国家資格を得られるのが特長。3年次にカスタムカー製作がカリキュラムに組み込まれている。卒業生は県内のディーラーを中心に整備士として活躍。3年制、定員25人。

　■WiZ専門学校 国際情報工科大学校
　郡山市にある専門学校グループ「FSGカレッジリーグ」に所属し、自動車、ゲーム、情報、工学の4分野18学科を擁する専門学校。就職に強い資格取得と技術の習得を教育の軸とし、2012（平成23）年度は就職率100％の実績。
　http://www.wiz.ac.jp
 
【写真：（左上から右へ）優秀賞を受けたカスタムカーと作業チーム、バッテリーを積んだリア、運転席など車内、表彰を受けたチーム関係者、会場に展示されたカスタムカー】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2013・1・16）