サイト内を検索 WWWを検索
HOME > コラム・筆は一本也 > 「除染の議論と不信感」
コラム・筆は一本也

「除染の議論と不信感」

東京電力福島第一原発の爆発事故から間もなく1年10カ月。1年前に「帰村宣言」した川内村や、一部地区では帰還に向けた動きもみられるが、元の住環境に戻るには程遠いのが現状だ。帰還を求める国の姿勢も、「被災地に寄り添う」という言葉とは裏腹に早期決着を目論む節があり、不信感さえ漂う。
 
▼住環境を回復するうえで最大の課題となっているのが除染作業。ところが、住民が首をかしげていた除染事業に手抜き除染の実態が明らかになった。手抜き除染の横行はたんなるうわさではなかった。朝日新聞が4日付1面トップの写真スクープ入りで特報した除染作業の無法ぶりは、一部業者の悪質行為だとしても、不信感はすべての業者と行政に向っている。何ともやるせない。
 
▼朝日新聞が報じた作業員らの証言によると、本格除染に先駆け公共施設などで実施した先行除染でも手抜きの実態が判明している。しかし、こうした実態は除染ガイドラインの不明瞭さにも起因する。例えば、除染によって発生した放射能汚染土などは、国直轄の場合は「すべて回収」だが、市町村だと「できるだけ回収」となる。発注先によって除染方法が異なってしまうのだ。これではまるで“泥縄”を勧めているようなものだ。被災地以外への復興予算のバラマキ同様、怒りは行政へも向っている。
 
▼国は重点調査地域内の基準として、毎時0・23マイクロシーベルト、年間1㍉シーベルト以上を除染の対象としているが、この基準だと南会津地方の一部地域を除く県内の大半が対象となる。新年度を含め約1兆5800億円とも見込まれている除染費用は不景気で苦しんできた建設業界などの除染業者にとっては、“恵みの雨”だ。同時に、群がる構図が被災地を貶(おとし)めていることを忘れてはならない。
 
▼チェルノブイリでは巨額な費用、労力に見合わないとして除染を中止、汚染地区からの移住に切り換えている。仮に除染費用を県内外に避難する約16万人に一律配分したとすると、1人当たり約1000万円。除染よりも移住を、という声も上がりそうだ。もし、移住ともなれば地図上から消え去る町村も生じかねない。福島県の生き残りを賭けた除染問題は、県土の71%を占める森林の除染を含めて議論を深めなくてはならない。【天下泰平】
                      (2013・1・9)
 

おすすめ情報(PR)

既製服にはない美しいフィット感
誂えのセレクトショップ・佐藤洋服店(本宮市)は、既製服にはないフィット感の美しいシルエットのスーツなどを提供している。ジャケット、オーダースーツ、靴なども取り扱っている。
海産物専門店「おのざき」の通販
全国一律1,000円の送料。届け先1件あたり。クール代・税込み。お買い上げ代金10,000円以上で送料無料。フリーダイヤル0120-024-137。携帯電話からは0246-23-4174
日持ちする「プリザーブドローズ」
にこにこバラ園(須賀川市)は、1年以上持つというプリザーブドローズを発売。バラ園がデザインしたプリザのバラアレンジメント。バラの季節を迎え、特価でのバケツ売りの特売日もあり。ホームページ2,000円〜10,000円台(消費税別)。送料は別途。Tel・Fax0248-72-7834
かに徳の宴会と法要プラン
かに刺し満足コース・かにすき鍋満足コース・かにちり鍋満足コースを用意。2時間飲み放題。無料送迎バス付き(10名様以上)。予約は☎024-931-2188
亀屋食品こだわり豆腐ギフトセット
木綿青ばた豆腐、青ばた寄せ豆腐、ごま豆腐、手あげなどの1500円セット(7品6種)と2000円セット(10品7種)。箱代・氷代込み。送料は別途。電話0248-82-2760・ファックス0248-82-2761

本宮特産・本宮烏骨鶏の酵母卵
ビール酵母で元気に育った烏骨鶏の酵母卵とトローリ酵母卵。熱処理した高品質の飼料をエサに安心・安全に飼育しました。卵黄のみを使って独自開発した酵母卵の卵油もどうぞ。

潮目食堂エブリア店オープン
海産物専門のおのざき(いわき市平鎌田町)は、いわき市鹿島の鹿島ショッピングセンターエブリア内に潮目食堂をオープン。2店目。ボリュームのある海鮮が自慢で、海鮮丼、刺身盛り、焼き魚定食など豊富なメニューを用意。
縫製工場・店舗が営業再開
台風19号による水害で縫製工場・店舗が被災した(株)アルバTOWA(旧東和ユニフォーム・本宮市本宮字舘町2-1)、SATO TAILOR 佐藤洋服店(同)は、ともに営業を再開

おすすめサイト