郡山市は11月20日、中心市街地活性化シンポジウムを同市のビッグアイ・市民交流プラザで開いた。基調講演とパネルディスカッションの２部構成で、市民ら約150人が参加した。
　基調講演は、大玉村の電子部品組立加工会社・向山製作所社長の織田金也さんが「逆境を糧に電子部品工場のフードビジネスへの挑戦“郡山駅前の価値を求めて”」と題し、フードビジネスに異業種参入したきっかけや、これからの事業展開を熱く語った。
　向山製作所は人気の生キャラメルなどを開発し、2010年9月に「向山製作所郡山表参道カフェ」を出店。今年10月31日～11月4日にはパリで開かれた「サロン・デュ・ショコラ2012」に生キャラメルを初出品し、世界のパティシエたちから注目を集めた。
　織田さんはこれからのフードビジネスについて、「飲食業事業を加えた形でトータルでの販売スタイルを確立し、地域密着型で展開していきたい」と述べた。
　パネルディスカッションは「まちなか夢会議～若者のチカラで街を活性化～」をテーマに開いた。NPO法人まざっせKORIYAMA理事長の宮川雄次さんがコーディネーターを務め、パネリストの大和田英美さん（国際ビューティ・ファッション専門学校2年）、菊池威男さん（商店街きらめき21研究会長）、渋谷陽海さん（郡山女子大大学院2年）、松永一秀さん（日本大工学部4年）、原正夫市長が中心市街地の活性化策でそれぞれの意見を出し合った。
　この中で「郡山のブランド性を見失いかけている」「駅前周辺の商店街が明と暗に分かれている印象を持つ」「トータルファッションの場、ショッピングモールが欲しい」「気軽に街中に行ける方法はないか。例えば、路面電車などで楽しくアクセスできるようにして欲しい」「駅前に行政施設を設け、議会を公開するといい」「音楽イベント、コミュニティースペースがあればいい」「和菓子などおいしい店がたくさんある」「新しいグルメを開発すべき」など、多彩なアイデアや要望があった。原市長は「どちらと言えば、郡山は恵まれ過ぎている。おいしい店もたくさんあり、それらをどう今後生かしていくかみんなで考えていく必要がある」と述べた。
 

　【写真：（左上から右下へ）菊池さん、渋谷さん、松永さん、原市長、基調講演の織田さん、大和田さん、コーディネーターの宮川さん】