あと1ヶ月余りで2012年も終わります。今回は、カレンダーの各月の名前の意味について書いてみます。 

　各月名は、漢字と同じように、意味があります。ただし、月名を表す単語の中には、昔ほかの単語に変わって、今では、通常使われていないものもあります。 

　１１月は、ポーランド語で言いますと、「listopadリストパド」です。Listopadの意味は「葉っぱが落ちる」というのです。１１月は葉がやっぱり落ちます。落ち葉も魅力的で、絨毯みたいに見えますね。　 

　１２月は「grudzien グルジェニ」といいます。「Gruda グルダ」という単語からできた名です。意味は「凍った土塊」で、旧ポーランド語に由来しています。１２月は土が初めて深くまで凍ってしまうからです。 

　１月は「styczen スティチェニ」です。旧年が新年と「styka sie(接触する)」からです。昔のポーランド人がいろいろなことを連想して、月名を決めました。 

　２月は「luty　ルティ」です。同じように、旧ポーランド語で、「冷凍的、厳霜的」という意味です。 

　３月は「marzec　マジェツ」です。この月名はラテン語と関係があり、外のヨーロッパの言葉に似ています。ローマ神話における戦と農耕の神「Marsマルス」（マールス）の意味です。３月ですと、気候がよくなり、軍隊を動かす季節と一致しました。その月は冬より暖かく、氷が溶け始まって、農作業も始められます。３月の旧名があり、「brzezien ブジェジェニ」で、全く使われていません。旧ポーランド語では「白樺」の意味です。３月に白樺の葉っぱがでてきますから。 

　４月は「kwiecien　クフィエチエニ」といいます。「Kwiat, kwiecie クフャト、クフィエチェ」という単語からできた名です。意味は「花、花々」です。春は３月に始まりますが、そのときはまだ寒い時もあります。４月になってから、割と暖かくなり、木の花、草地の花が綺麗に咲きだします。冬のあと、お花が一本でも見えてくると、やっぱり嬉しいです。 

　５月は「maj　マイ」です。元々はローマ神話で豊穣を司る女神マイアMaia の名です。３月と５月はラテン語関係の名です。 

　６月は「czerwiec チェルヴィエツ」で、「czerwiec polski チェルヴィエツ・ポルスキ（ポーランドのチェルヴィエツ）というカイガラムシの一種と関係のある月です。６月中、その虫が拾われて、乾燥されて、１９世紀半ばごろまで赤色に着色することのできる重要な染料として使用されました。ポーランドは昔その顔料を全ヨーロッパに輸出しました。 

　７月は「lipiec リピェツ」で、「lipa リパ（しなの木）」と関連します。しなの木は７月ですといっぱい咲きます。しなの木の蜂蜜が美味しいですね。 

　８月は「sierpien シエルピェニ」といいます。「sierp シェルプ」という単語があり、「鎌」の意味です。８月は麦を刈って、収穫の時期です。 

　９月は「wrzesien ヴジェシェニ」で、「wrzos ヴジョス（ヒース）」の咲いている月です。 

　１０月は「pazdziernik パジジェルニク」といいます。「Pazdzierze パジジェジェ」を連想します。幹繊維植物の木質部（亜麻、麻）です。昔の人は、10月の間にそういう木質部を亜麻や麻繊維の処理中に繊維から分離しました。 

　このように、旧ポーランド語の単語が現代ポーランド語に残っています。時々、単語自体を使ったりしますのに、意味を知りません。意味のことを考えません。しかし、調べますと、面白いです。漢字圏国は漢字を見て、意味がわかりますが、ローマ字の場合は違いますね。 

　では、また。少しずつ、綺麗（！）な冬になっていきますので、暖かい服を着て、風邪などをひきませんようにお気をつけ下さい。