世界100カ国以上を旅し、各国の人々の幸福を見聞している国際文化アナリスト目崎雅昭さん（44）が11月10日、いわき市の市民公開イベントに招かれ、旅で経験した幸せの考え方について講演した。
　目崎さんは外資系証券会社のトレーダーから国際文化アナリストに転身。10年間、世界各地をめぐって“幸せ探しの旅”に出た異色の経歴の持ち主だ。海外では、全く違う価値観を持って生きる人たちとの触れ合いを重ねてきた。
　公開イベントは「世界事情に見る幸福の考え方～幸せについていま一度深く考えてみませんか～」と題して開催。目崎さんは自己紹介のあと、世界を旅した感想や出来事などを時系列的に話した。この中で「社会は、国は、何のためにあるのか」を考えていたといい、さらに各国の自殺率や出生率などを通して現状を分析、背景などを分かりやすく解説した。
　個人の満足度を高める「社会個人主義」も力説した。「多様な個性を認め、自主と民主と連帯の中で個人主義を最大限に発揮する。こうした個人の満足度を高めていくことが基本で、それが社会貢献につながり、さらに個人の満足度を高めていく」とする考え方を提案した。
　各テーブルごとの討論には約20人が参加し、「幸せとは何か」を論じ合った。参加者の一人は「震災後、あらためていろいろなことを感じている。自分の身近にあるささやかな幸せを振り返れた」と話した。
　同会は今後もセミナーなどを開き、積極的に活動していきたいとしている。講演に先立ち、主催者の洪浩彰さん（幸せを考える会実行委員長）があいさつした。目崎さんは今回の講演に併せて、本紙WEB新聞「福島みんなのNEWS」に福島県民へのメッセージを寄稿した。http://www.fukushima-net.com/sites/content/853
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　目崎さんは、千葉県八千代市生まれ。慶應大商学部卒。 在学中に米ペンシルバニア大へ留学。 ロンドン大ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス（ＬＳＥ）社会人類学修士号を取得。ＷＫアドバイザリー(Wolfgang Kreft Advisory)日本代表、Well-being Lab.主席研究員。「幸福途上国ニッポン」（アスペクト社）の著者で知られ、5月にはNHK BS1の教養・情報番組「地球テレビ エル・ムンド」に出演。