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コラム・筆は一本也

「コメ農家の苦渋とチャンス」

全国有数の米どころである福島県の稲作は、猛暑を跳ね返して豊作となった。食卓にもおいしい福島産米がお目見えしている。コメ農家は新米を「神米」として神様に供え、今年一年の感謝と来年の出来秋を祈るのが習わしだ。しかし、何と言っても気になるのが放射性セシウム

▼各農家では、国の基準値(1㌔㌘当たり100ベクレル)を超す放射性セシウムが各地で検出された昨年の反省から、水田の深堀やゼオライトの投入といった土壌改良に加え、本年産米は全袋検査や精密検査を行い徹底した安全な新米の提供に努めている。こうしたことから市場では福島のコメが見直されつつあるが、一方では思わぬ余波も受けている

▼何せ、出荷前の全袋(1袋30㌔)をチェックするため、予想以上の労力と時間がかかり、1200万袋の出荷見込みのうち、今月初めの実施分は80%にとどまる。検査機器の不足によるものだが、出荷の遅れで問屋筋からのキャンセルが相次ぎ、新米商戦に乗り遅れて品質や価格低下を招いている

▼23日は皇室の祭儀である新嘗(にいなめ)祭が執り行われ、天皇自ら新穀を天神地祇(てんじんちぎ)に捧げて食する。そんな中、コメ農家はセシウム、風評、出荷の遅れと、過去に経験のない三重苦に苦悩は深まるばかり。特に新米は来年1月を迎えると、「新米」とは名乗れなくなるのが業界の掟だ。米どころ福島のコメが復権するには、まだ当分時間がかかりそうだが、こんな時こそ水耕栽培などの新しい農業への支援が必要ではないか

▼建設業から転じて農業生産法人を設立、資源循環型の観光農業に取り組む岐阜県の経営者の講演が先日、福島市であった。これからの農業を「チャンスはゴロゴロ転がっている。国、県などの補助を取り込み、とにかく新しいことを決断し実行するか、しないかである」。そして、被災地への思いやりと同時に「だからといって甘えてもいけない」と。言葉のみで被災地を励ます講演が多い中、あえて被災地の農業にも苦言を呈し、そのうえで応援しようとするこの経営者の話ぶりに新鮮味を覚えた。【天下無双】
                         (2012・11・12)

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