乳がんの早期発見、治療を目指そうと、乳がん啓発キャンペーン・乳がん検診受診率向上市民会議「ピンクリボンｉｎ郡山2012」が21日、郡山市で開かれた。ピンクリボンｉｎ郡山実行委員会の主催。
　乳がんは、触診や乳房X線撮影装置・マンモグラフィーによる検診などで、早期に発見し治療すれば、完治する可能性が高いとされる。しかし、欧米に比べて日本の受診率は低く、乳がんで亡くなる人は年々増えている。
　こうした中、乳がん啓発活動「ピンクリボン運動」が全国的に行われるようになった。ピンクリボンｉｎ郡山は、同市の乳がん専門医らを中心に、2009年（平成21年）に設立。毎年、10月のピンクリボン月間に啓発イベントを開き、乳がんについての正しい知識の周知に努めている。
　今年も、同市のビッグアイをメイン会場に、様々な講座や講演会が行われた。乳がん公開講座では、福島県保健衛生協会の山田晴美さんが乳がん検診の自己触診を指導。山田さんが「少し痛いくらいの強めの力で、乳房全体にしこりやくぼみがないかを確かめるのがコツ」とアドバイスし、参加者が医療用のモデルを使って触診を体験した。
　乳がんなんでも質問コーナーでは、日本乳癌学会専門医や乳がん看護認定看護師、映画「余命１ヶ月の花嫁」の恋人であった赤須太郎さんら10人をコメンテーターに迎え、参加者からの疑問に答えた。
　「乳がんを発症する人が増えているのはなぜなのか」という質問に対しては「食生活の欧米化で動物性の脂肪を多く摂るようになった事」や「女性の社会進出が進みストレスが増えた事」など、ライフスタイルの変化が理由に挙げられた。
　また、乳がん患者の会、あけぼの会・会長、ワット隆子さんによる「誇り高く、美しく」と題した特別講演もあった。
　同市のうすい百貨店に設けられたサテライト会場でも、マンモグラフィ搭載検診バスの見学会やパネル展などのイベントが繰り広げられ、検診車の内部を興味深げに見学する人の姿が見られた。
　同委員長で日本乳癌学会専門医の野水整さん（星総合病院乳腺外科・院長代行）は、「乳がんの患者さんは40歳代に多い。子育てや仕事などで忙しい年代だけに、自分自身と家族のためにぜひ検診を受けていただきたい」と、検診の必要性を述べた。

http://www.hoshipital.or.jp/pink-ribbon/index.html