福島県出身の声楽家三神博子さんのソプラノと、ピアノの石井みかさんによる「紡ぎうたコンサート」が10月12日、郡山市のヤマハホールで開かれた。
　歌とピアノが縦糸と横糸のように紡ぎ合って奏でる音楽を目指してネーミングしたというこだわりのコンサート。１回目の今回はナレーターにフリーアナウンサーの米田裕子さんを迎えて開かれた。
　名曲「ちいさい秋みつけた」など秋にちなんだ歌を披露した後、金子みすゞの詩に小原孝が曲をつけた「おはなしのうたの」を歌った。「こぶとり」などの昔話からのストーリーを米田さんが語り、その後で歌とピアノが奏でる形で進め、内容や歌の面白さで、満席となった会場の中からは笑い声がしばしば湧き上がった。他にも、郡山市では演奏されることが珍しい中田喜直作曲の歌曲集「魚とオレンジ」などの演奏があり、いつもの抒情歌中心とは一味違う形での、日本歌曲の魅力を届ける演奏会となった。
　三神さんは郡山市出身。県立安積女子高校（現安積黎明高校）、武蔵野音楽大学卒。仙台オペラ協会演奏部会員として各種コンサートに出演。地元塩釜市をはじめ、仙台市や東京、郡山市と、わらべうたからオペラからまでを歌う歌い手として活躍。また、わらべうたから始める音楽教育のサークル活動を郡山、仙台の両市で行っている。
　１０月２６日には仙台市でも同コンサートが開かれる。会場は仙台イズミティ２１。