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福島からの発信

東京の学生が福島の復興支援 29日に川崎で「福カフェ」 県産料理を提供

首都圏の大学生でつくる震災復興支援団体「あいべ福島プロジェクト」(板里彩乃代表)は9月29日、福島県産の食材を使った料理を提供する「福カフェ」を神奈川県川崎市で開く。一日限りの店舗だが、福島の復興を後押ししようという学生たちの熱意が伝わる支援カフェだ。
 あいべ福島プロジェクトは昨年7月以来、都内の学生らを対象に福島の魅力を伝えるさまざまなボランティア活動を行ってきた。原発事故の風評被害からくるイメージを払拭するため、福島の観光名所や特産物を紹介するパンフレットを作成するなどしてPRに努めてきた。今回の復興支援カフェは、そうした活動のひとつ。
 あいべ福島プロジェクトが福島への支援活動に乗り出すきっかけとなったのは、板里さん(青山学院大3年)がテレビで知った風評被害のニュースだった。板里さんは「被災地といえば、津波の被害に遭った場所ばかりをイメージしていたが、ニュースを見て、そうした以外の場所でも苦しんでいる人たちがいることを知った。“目に見えない被害”を受けている人たちにも目を向けるべきではないかと思った」と、プロジェクト設立の経緯を話す。
 板里さんらメンバーは、同大学の公認愛好会「SHANTISHANTI国際ボランティア愛好会」の会員で、当初は同愛好会の復興支援活動の一環としてプロジェクトをスタートさせた。
 プロジェクト名の「あいべ」とは、福島の方言で「行こう」という意味。「たくさんの人たちが福島に行きたくなるような活動をしていこう」との思いを込めて付けた。
 まず手始めの企画は、福島の良さを伝えるパンフレットを作製して都内の学生に配布、「福島は安全で楽しいところ」であることを伝えることだった。
 板里さんらスタッフは昨年7月、2泊3日の日程で会津若松、二本松の両市を訪問。現地の人たちに被害状況や都内の学生に向けたメッセージなどをインタビュー、行楽地情報と併せて掲載した。出来上がったパンフレットは、大学祭の会場などで学生を対象に配布。受け取った学生からは「福島は楽しそう」「ぜひ行ってみたい」などの感想が寄せられ、好評だったという。
 板里さんらメンバーはその後、須賀川市の「須賀川松明あかし」や「釈迦堂川全国花火大会」にボランティアとして参加している。現地の様子はビデオ撮影し、動画投稿サイトの「YouTube」にアップしている。
 今年3月には、活動をより大きなものにするため、同好会から独立。他の大学の学生も交えた「あいべ福島プロジェクト」を設立した。神田外語、神奈川、慶応、中央大学など大学の垣根を越えて幅広い顔ぶれが参加するようになった。
 板里さんは、「東京の大学生の私たちだからできることを追求し、感性を生かして福島の情報を発信していきたい。1人でも多くの人たちに福島を好きになってもらいたい」と話す。
「福カフェ」は、レンタルスペースで1日限りの開催。福島県の名産品を紹介するものの、「学生になじみのあるカフェ形式を採用し、気軽に訪れていただきたい」という。
 白河市のJAしらかわ、須賀川市の農産物直売所「はたけんぼ」の協力で、福島産の食材を仕入れ、調理はメンバー自らが行う。
 産地や野菜の特徴は、カフェ内の壁に掲示し、メニューなどに書き添える。料理を味わってもらうだけでなく、福島の食材の情報も知ってもらおうという狙い。
 

 【福カフェ】
 ▽日時:9月29日(土)※完全予約・入れ替え制
  ①正午~午後1時30分
  ②午後2時~同4時
  ③午後5時~同6時30分
  ④午後7時30分~同9時
 ▽場所:idacafe(神奈川県川崎市中原区井田中ノ町33-9)
 ▽メニュー
  前菜:福島野菜の野菜すし
  スープ:オリジナルこづゆ
  サラダ:かっぱめんのサラダパスタ
  主食:須賀川名物きゅうりバーガー
  デザート:福島の絶品スイーツ盛り合わせ(桃のタルト/桃のコンポート/ジェラート)
 ▽料金:2000円

 
 予約は専用フォームから。https://ssl.form-mailer.jp/fms/76ecba34208660
 問い合わせは、あいべ福島プロジェクトへ。http://aibe.minibird.jp/wp/ 

 【写真:(右上から左へ)福カフェの店内、メニュー、プロジェクトのメンバー(板里代表は前列左から2人目)、旅行先での取材、放射能の学習会、須賀川市釈迦堂川全国花火大会のボランティアに参加したメンバー(前列中央は橋本克也市長)】 
 

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