須賀川市と岩瀬、石川郡の中核医療施設・公立岩瀬病院（三浦純一院長）は９月３日から、内部被ばくを検査するための移動式「ホールボディカウンタ車」を運用開始する。運用開始を前に２７日、関係者、報道機関を招いた内覧会を行った。
　同病院を運営する公立岩瀬病院企業団では、長期化が予想される同地域での放射線被ばく対策の一環として、ホールボディカウンタ車を１億５００万円で導入。これに伴い、6月末から各種検査試験や職員の研修を行ってきた。
　内覧会には、橋本克也須賀川市長、同企業団の伊東幸雄企業長らが出席。車内に入り、検査方法など技師から詳しく説明を受けた。
　同車は県が所有するホールボディカウンタ車と同じ機種の「車載型」で、搭載されているホールボディカウンタは米国に本社を持つ日本法人キャンベラジャパン社製の「ＦＡＳＴＳＣＡＮ™」。
　体内の放射性物質から放出されるガンマ線を計測することで、体内に残留する放射性物質の種類と量を調べることができる。
　測定方式は立体型で、計測時間は２分。
車両側面には、猪苗代町出身のイラストレーター、ちくいこずえさんの子ども向けのかわいらしいイラストが描かれ、親しみやすい外観。
　内覧会に先立ち、伊東企業長から感謝状を授与されたちくいさんは、「実物を見て感動した。福島の子どもたちのためにお手伝いができてよかった」とうれしそうに話した。
　ホールボディカウンタ車は、９月から１０月までの２カ月間、須賀川市内の小、中学生を対象に検査を行う予定。
　1日あたり６０人から８０人を検査し、結果は2カ月以内に本人に通知される。

　【写真：（左上から右へ）導入されたホールボディカウンタ車、内部被ばくを検査する機器類、車体にイラストを描いたちくいさん】