福島大学の特別公開講座（大同生命寄付講座）は１２日、福島市の同大で始まった。２回にわたる経営学講座で、テーマは「人を活かし、人が生きる経営」。

初回は福島大経済経営学類教授の西川和明さんが「『人を活かす経営』の理論と実践」、寺田共同会計事務所社員税理士の深瀬善太さんが「経営者のための会計力」と題し、それぞれ１時間半講義した。

　西川さんは、マネジメント、現代経営学の泰斗（たいと）ピーター・ドラッカーの理論を基に、企業の成長要因となる人を活かす経営とは「人的資源、イノベーション、マーケティングのバランスのとれた経営である」とし、「日本の失われた２０年（バブル経済破たん以降）はこれら三要素のアンバランスが原因」と指摘した。その上で、ドラッカーが高く評価していた、人間関係論をバックボーンとする日本の人事管理の優れた点を強調した。

また、寒天製造販売の伊那食品工業（長野県）が取り組むマーケティング精神を挙げ、マーケティング、イノベーションと同時に、「人を大切にする経営」の復権を説いた。

次回は１１月２６日（午後１時～）にホテルサンルートプラザ福島で開き、ＪＳパートナー社長の福島文二郎さんが「ディズニーの人材教育メソッドを企業経営に活かす」、奇跡コーチング・ワークス代表の阿部尚俊さんが「ワンマンからチームプレー会社へ」と題し、それぞれ講義する。

特別公開講座は本年度で５回目。
 

【写真は「人を活かす経営」の理論と実践の講義】