神田外語グループは６日、グローバルな視野で活躍する２２人のスペシャリストを講師陣に迎えた「教科書にのっていない・世界の授業２０１２」を福島市のコラッセふくしまで開いた。
　「国際的な仕事をしたい」「世界の異文化を知りたい」という、幼児から青壮年まで幅広い年代層に応えたセミナー。今回は札幌会場をスタートに、大宮、静岡、千葉、仙台、宇都宮、新潟の８会場で開催。７０代までの２０６人が参加した。
　福島会場は午前、午後合わせて４４のセミナーが行われ、なかでも「ネイティブ教員が教える英語上達のヒミツ」や「ドラマメソッドで学ぶ、発音と表現法!」などのネイティブ教員の講座と、英文法、リスニング力をつける講座には進路を控える高校生らの人気が集まった。
　福島県西郷村出身の塩川哲也さんは「グローバルなステージに立つには」というテーマで講義。塩川さんは日本人が外国になかなかとけ込めない実態を紹介し、「言葉の奥にある文化の違いを知ることが大切」と説明した。さらに「出る杭は打たれる」の日本とアメリカでは全く逆の意味であることを紹介し、「同じものを見ても違った見方をしている」とし、「理解と賛成は違う」「建前と本音があるのは日本だけ」など留学した体験を交えて話した。
また、グローバルに活躍するには、自分の考えを打ち出すことが大事であることを踏まえた上で、英語力や日本人としての独自性、文化適応力が求められる強調、受講生を励ました。塩川さんは商社で働いた後、ハーバード大経営大学院を修了、現在はゼロックス・コーポレーション在日代表。
　一般対象の講座は、元読売新聞ワシントン特派員の斎藤彰さんが「“対岸の火事では” 国際情勢と私たちの暮らし」と題し、国際情勢と私たちの暮らしが密接な関係があることをわかりやすく説明。緊迫する尖閣諸島や竹島、北方領土などのデリケートな国際問題が、私たちの生活にどうかかわってくるかを解説した。
　郡山市の高校１年生田口隆さん（１６）は、「英語が好きだから、参加した。コミュニケーションについて学び、とても楽しかった」と感想を述べていた。
　　　（2012・8・８）