日本語の助数詞の役割と意味を解き明かす漢字講演会「日本語の助数詞に秘められた情報力」が５日、郡山市市民交流プラザ（ビックアイ）で開かれた。福島県漢字同好会（八重樫一代表）主催。
　文学博士で中央大商学部教授の飯田朝子さんを講師に迎え、日本語の助数詞に秘められた情報力をひも解いた。
　飯田さんは「助数詞は数を助ける詞（ことば）で、日本には約５００種類あり、文化と密接な関係のもとに入れ替わっている。使い分けることで、話し手が数える対象をどのように捉えているかの情報が含められている」と述べた。動物の数え方や、「回」と「度」、「１つ」と「１個」などの使い分けについての説明もあった。
　「回」は、またありそうという予想の下で使うかどうかで「度」に変わるとし、芸能人の結婚をめぐる報道を具体例として挙げた。
　また、すしの数え方に「かん」を使うようになったのはバブル期であり、それ以前は「個」で数えていたことや、棟を「むね」と「とう」と読むときの読み手の気持ちの違いなどにも言及した。
　興味あふれる講演会とあって、会場からの質問も相次いだ。言葉の乱れを問う質問に、飯田さんは「助数詞は文化とともに進化している」とし、「それぞれに意味や由来があり、われわれのものの捉え方を反映した情報が効率よく含まれている。その有効性を知り、日本文化として広く伝えていってほしい」と結んだ。
　福島漢字同好会は、毎月第１日曜日の午後２時から４時まで定例会を開いている。詳しくは、八重樫代表（電話024-923-1078）へ。