マラソンでパリー東京間、約１２６００㌔のユーラシア大陸横断を果たし、東日本大震災の被災地を通って東京のゴールを目指す、ガリバーインターナショナル会長の羽鳥兼市さん（７１）＝須賀川市出身＝らランナー一行が２６日、須賀川市に到着し、同市の橋本克也市長を表敬訪問した。
　マラソンにチャレンジしているのは、羽鳥さんと同社執行役員の須釜武伸さん（５０）、羽鳥さんの三男で同社員の彰人さん（２８）の３人。
　羽鳥さんらは、震災で日本を支援してくれた世界の国々に感謝の気持ちを伝えようと、昨年６月２５日にパリを出発。
　１日約４３㌔のペースで、トルコ、イラン、ウズベキスタンなど１３カ国をめぐり、６日には北京に到着した。
　１４カ国目となる日本へは１０日、北海道に到着。その１２日後の２２日に本県入りした。
　同市牛袋町の市役所仮庁舎前で、市職員らとともに羽鳥さんを出迎えた橋本市長は、「暑い中ご苦労さまでした。心から敬意を表します」と、１年以上におよぶ長旅の労をねぎらった。
　庁舎内で市長らと懇談した羽鳥さんは、ユーラシア大陸横断を振り返って、「大きな夢を持たなくてはいけないと日ごろから思っているが、大陸横断は気の遠くなるような距離。１日、１日、その日走ることだけに集中して毎日を積み重ね、横断マラソンを成し遂げることができた」と語った。
　７０歳を超えての挑戦については、「挑戦に年齢や環境は関係ない。いくつになっても挑戦できるんだということを今回のマラソンを通して伝えたい」と日に焼けた顔をほころばせた。
　ガリバーインターナショナルでは、震災復興に役立てて欲しいと、昨年９月に中古車１０００台を被災地に寄付しているが、このうち２８台が須賀川市に贈られた。
　橋本市長は寄付に対して感謝の意を表すとともに、「今回のマラソンでは元気をもらうことができた。本当にありがとうございました」と述べ、地元産トマト、キュウリ、モモなどをプレゼントした。
　羽鳥さんらは８月２日、東京にゴールする予定。
　故郷の地を踏んだ羽鳥さんは「地元に帰って来られて非常に感慨深い」と述べ、復興に励む本県の人たちには「被害者のご苦労を思うと言葉では言い表せない思いがあるが、少しでも前向きに明るく、プラス思考でいれば必ず立ち直れると思う。あきらめないで欲しい」とエールを送った。