復興庁政策参与の鉢村健さん（元日銀福島支店長）が２１日、白河市で講演し、「福島復興と県南地方」をテーマに、復興の現状と課題を語った。
　鉢村さんは、①被災者の将来不安②県民の放射線不安③国民的な福島への理解不足－といった現状の問題点を挙げ、「放射線除染や賠償確定、雇用確保がどう実現するのか、本県経済の将来性は大丈夫なのか」と疑問を呈した。
　復興バブルとされる今の景気を、「大規模自然災害後の消費爆発は当たり前。むしろ消費増がいつ反動減に向かうのか、見極めが重要」「（統計上で）大災害後は人口３割減とされ、小さな社会になってもやっていける身の丈に合った経済、社会の仕組みを構築する必要がある」と力説した。
　県内を７経済圏で分けた場合、「県南地方は産業の中間投入率が高く、収益は低い。好循環させていくため、新しい産業をつくる必要がある」と指摘した。さらに「東京志向の、中央へ還元する循環を改め、『南北振興』から『東西振興』に転換すべき」とし、東西整備の軸を「小名浜、新潟両港の連携支援とアジアとの連携模索」を挙げた。
　白河地区経営者協会、立教志塾の会員ら約６０人が聴講した。