日露関係と北方領土問題のエキスパート、特定非営利活動（ＮＰＯ）ユーラシア２１研究所理事長の吹浦忠正さんを迎えた、立教志塾（渡辺薫理事長）の５月定例研修会が２２日、白河市立図書館で開かれた。
　吹浦さんは「北方領土問題と今後の日露関係」と題し、北方領土（４島）がわが国固有の領土だとする根拠と内外情勢から見た背景、ロシア側の領土返還の歴史、返還の態様、交渉プロセス、日本側の課題、当面の採るべき施策などを話した。
　吹浦さんは「（ロシアは国境を接する国の中で）日本とだけ平和条約がない」とした上で、国際機関、米国などを活用した交渉のプロセスを説明。「取りあえず２島返還ではなく、あくまでも４島返還を堅持する。主権（領土）だけは揺らいではいけない」と強調した。
　吹浦さんは、国際赤十字から童謡、国旗、オリンピック、安全保障と外交、領土問題まで多岐にわたって研究。沖縄返還、北方領土問題に心血を注いだ故末次一郎さんとともに活動してきた。ロシアにはこれまで１２２回足を運んでいる。ユーラシア２１研究所は２００７（平成１９）年に設立。
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　６月研修会は、白河地区経営者協会総会の記念講演会を兼ね、２１日午後４時から白河市の鹿島ガーデンヴィラで開く。
　講師は復興庁政策参与・統括官付審議官の鉢村健さん（元日銀福島支店長）。演題は「福島県の復興について（仮称）」。
　問い合わせは、立教志塾事務局（電話0248-23-1427）へ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２０１２・５・２５）