三重県で３月に開かれた第２３回都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会・女子個人戦で、福島県西郷村立西郷一中３年の小山舞さん・鈴木梨沙さんペアが優勝し、全国の頂点に立った。本県代表の優勝は大会史上初めて。同村や学校関係者は大きな喜びに包まれている。
　舞さんと梨沙さんの２人は小学生時代からペアを組み、５年生の時に全国制覇を成し遂げた。今回は２度目の「日本一」。ともにテニス一家に育った２人だが、それぞれの親たちの指導もあり、才能をみごと開花させた。
　今大会は、各県の予選を勝ち抜いてきた強豪１９２ペアが出場。１日に７戦をこなすハードな試合だったが、２人は持ち前の体力と練習量で１戦１戦を勝ち抜き、決勝へと進んだ。決勝の相手は、強豪の千代田女学園中（東京）。１セットを先取され、ジュースが続いた末に４―１で破り、栄冠をつかんだ。文字通り苦戦の連続で勝ち取った日本一に、２人は疲れた表情も見せず、顔をほころばせた。
　全国制覇を人一倍喜んだのは梨沙さんの父俊晴さんだった。俊晴さんは３２年前の１９８０（昭和５５）年の中体連ソフトテニス全国大会で自らも優勝しており、今回の快挙は二重、三重の喜びだ。俊晴さんは、舞さんの父伸行さんが指導している練習に、梨沙さんを連れて一緒に参加するなど、長年にわたり子どもたちの練習をサポートしている。
　練習のサポートだけでなく、２人の応援のために三重県まで夜通し運転し、会場に駆けつけた俊晴さん。こうした中で、今回の優勝は喜びもひとしお。「コートの中の梨沙さんと３２年前の自分の姿が重なった」と話す俊晴さん。
　テニス一家でもある俊晴さん一家は、３人の子どもすべてがソフトテニスを経験している。梨沙さんの３歳上の姉友梨さんは、小学生の時に全国大会に出場。梨沙さんはその姉からは５歳の時から手ほどきを受けている。
　また、西郷一中はテニスの強豪校として全国に名が知られており、今回の快挙は同中の存在をあらためてアピールした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2012・5・8）

 【写真：賞状、優勝カップを手にする小山舞さん㊧と鈴木梨沙さん】